人を入れ替えても会社は変わらない

― 優秀な人材が潰れていく組織の共通点 ―

「人が足りない」
「優秀な人材さえ入れば変わる」
「今いるメンバーでは限界がある」

これは、多くの社長が抱く正直な本音でしょう。
実際、採用強化に踏み切る会社は年々増えています。

しかし、こうした会社ほど、数年後にこう言います。

せっかくいい人を採ったのに、
思ったほど活躍しない
期待していた人が辞めてしまった

なぜでしょうか。
結論から言います。

人を入れ替えても、会社はほとんど変わりません。


「優秀な人」が機能しない理由

あなたの会社にも、こんな人はいませんか。

  • 前職では成果を出していた

  • 面接では論理的で意欲的だった

  • 最初は改善提案もしていた

しかし数か月後、

  • 発言が減る

  • 無難な判断しかしなくなる

  • 「この会社では無理ですね」と言い始める

社長はこう感じます。

期待していたほどではなかった
やはり前職の看板だったのか

ですが、それは違います。

その人は変わったのではなく、組織に“合わせさせられた”のです。


組織は人を矯正する装置である

組織には、見えない力があります。

  • 出る杭は打たれる

  • 余計なことをすると仕事が増える

  • 波風を立てると評価が下がる

これらは、誰かが明文化したルールではありません。
しかし、現場では確実に共有されています。

結果として、組織はこう振る舞います。

「この会社で安全に生きるための行動」を
無意識に人に学習させる

つまり、組織は人を育てる以前に、人を“型にはめる”のです。


採用を繰り返す会社がハマる罠

採用がうまくいかない会社ほど、次のループに陥ります。

  1. 今のメンバーでは変われないと感じる

  2. 外部から優秀な人を採る

  3. 組織に違和感が生まれる

  4. その人が浮く、辞める、黙る

  5. 「やはり人が悪かった」と結論づける

そして、再び採用へ。

しかし実際は、

組織の構造・空気・評価基準が
新しい人を“元の形”に戻している

だけなのです。


問題は「誰がいるか」ではない

組織の成果を決めているのは、

  • 誰がいるか

  • どんな能力を持っているか

ではありません。

それ以上に影響するのは、

  • どんな行動が報われるのか

  • 何をすると損をするのか

  • 何を言うと面倒なことになるのか

つまり、組織の前提条件と反応構造です。

これが変わらない限り、どんな人材も同じ行動に収束します。


社長が無意識に作っている「型」

厳しい話ですが、組織の型を作っているのは、多くの場合、社長です。

  • 判断を社長が全部持つ

  • 正解をすぐ提示する

  • 失敗に対して無言の圧がかかる

これが続くと、現場は学びます。

  • 考えない方が安全

  • 決めない方が楽

  • 社長の顔色を見るのが正解

その結果、

自律的な人材ほど息苦しくなり、
指示待ちの人ほど居心地が良くなる

という逆転現象が起きます。


人材育成がうまくいかない本当の理由

よくある打ち手として、

  • 研修を増やす

  • スキル教育を強化する

  • マインドセットを変えようとする

があります。

しかし、組織の構造が変わらないままでは、学んだことを使う「場」がありません。

結果、

研修ではいい話だった
でも現場では使えない

という感想だけが残ります。


組織を変えずに、人だけを変えるのは酷である

ここで、社長に問いを投げかけたいと思います。

  • 今の組織で、本音を言って得をする人は誰か

  • 新しい挑戦をして、失敗した人はどう扱われているか

もし、

「正直、それは難しい」

と感じるなら、問題は人ではありません。

人を入れ替える前に、組織の前提を見直す必要があります。

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