中小企業で最も多い悩みのひとつが、
「社長が現場から抜けられない」 という状態です。
社長が全部決めている
社長のチェックなしでは仕事が進まない
社長の“判断待ち”で現場が止まる
社長が忙しいと、会社全体も止まる
これは偶然でも、社員の能力不足でもありません。
構造的に“社長止まり”になる仕組みになっている だけです。
そして厄介なのは、
社長自身が気づかないうちにその構造をつくっている ということです。
■ 1. なぜ中小企業は“社長スーパーマン型”になってしまうのか?
多くの中小企業は、
社長が最初の万能プレイヤーだった時代の延長で成長している
という特徴があります。
創業期は確かにそれで回りました。
しかし、会社が大きくなると、
その仕組みのままでは社長のところで仕事が詰まります。
● 社長しか判断できない
→ 権限が降りていない
● 社長しか情報を持っていない
→ 情報共有の仕組みがない
● 社長のやり方だけが正解
→ 属人化が進んでいる
● 社長が怒ると話が終わる
→ 議論が機能していない
こんな状態では、
どれだけ優秀な社員が入っても育たない。
むしろ、社長に依存してしまう仕組みになります。
■ 2. 「社長がやったほうが早い」が最大の落とし穴
社長が現場に入ると、その瞬間は確かに早く回ります。
しかしその裏で確実に起こっていることがあります。
❌ 社員は「待つ人」になる
❌ 判断力が育たない
❌ 社長の負担が増える
❌ 仕事は増えても社長がボトルネック
つまり、
社長が手を出すほど、社長が抜けられなくなる。
これは能力の問題ではなく、
会社の成長ステージが変わっているだけです。
創業期のやり方では、
成長期は乗り切れません。
■ 3. “社長止まり”が生まれる3つの構造的問題
① 判断基準が言語化されていない
社長の頭の中だけに“正解”がある。
だから社員は判断できない。
属人化の最大要因。
② 権限委譲の設計がない
「任せる」と言いつつ、
・決裁ラインが曖昧
・どこまで任せてよいのかわからない
・失敗すると結局怒られる
これでは社員は動けません。
③ 評価が“社長の主観”に寄っている
頑張っても評価されるか不明。
だから社員は責任を避ける。
結果、
社長の判断にすべて依存する文化が固定化します。
■ 4. 社長が抜けるために最初にやるべきこと
社長の代わりに“仕組み”に仕事をしてもらう。
これが唯一の答えです。
① 判断基準(社長の暗黙知)を言語化する
・良い判断とは何か
・OK / NG の基準
・優先順位の付け方
これを落とし込むだけで、
現場の判断スピードは倍以上に向上します。
② 権限委譲のラインを設計する
「ここまでは現場が判断」
「ここから先は管理者」「最終は社長」
こうした“線引き”がない会社は多い。
線引きができると、
社長の時間が一気に空きます。
③ 仕組み化 × 現場の知恵をセットで回す
仕組みはトップダウンだけではなく、
現場と一緒につくることで初めて機能します。
・運用で困っていること
・やりづらい部分
・改善のアイデア
これらを吸い上げない限り、
社長だけが動き続ける状態は変わりません。
■ 5. 社長が抜けると、会社は勝手に伸び始める
中小企業の多くは、
社長が現場から完全に抜けると業績が伸びます。
なぜか?
● 社員が判断するようになる
● 社員が試行錯誤し始める
● 業務スピードが上がる
● 改善が現場発で回り始める
● 会社の成長ペースが社長に依存しなくなる
つまり、
社長が抜けるとは、社員が育つということ。
社長が止まるとは、会社が止まるということ。
■ 6. 最後に ― 社長、抜けるのは“楽をするため”ではありません
社長が現場から抜ける目的は、
遊ぶためでも、ラクするためでもありません。
会社を永続させ、
社員の雇用を守り、
次のステージへ進むためです。
そして、
社長が抜けられる会社こそ、本当に強い会社です。
今こそ、
あなたの会社の“社長止まり構造”を見直すタイミングかもしれません。