― 本当の責任感とは、自分で動く力と自分を信じる力 ―
「責任感」が社員を苦しめている
「責任感がない社員が多い!」と感じている経営者は少なくないでしょう。
ですが、本当に責任感がないのでしょうか?
それとも、**「責任感を押しつけられた結果、動けなくなった」**だけかもしれません。
たとえば、こんな言葉を使っていませんか?
「責任を持ってやれ」
「自分の仕事に責任を持って取り組んでほしい」
「何か問題が起きたら、最後まで責任を取れ」
これらは一見、正論のように思えますが、社員からすればプレッシャーを強く感じて萎縮してしまう言葉です。
結果として、行動力や挑戦意欲が削がれ、「動かない社員」になってしまうのです。
責任感の本質とは?
では、責任感とは何でしょうか?
本当の責任感とは、自分の行動に納得し、その結果を自分で引き受ける力のことです。
「怒られないためにやる」「責任逃れしないようにやる」というのは責任感ではなく、恐怖による行動です。
責任感を育てるには、次の3つの要素が欠かせません。
信頼されている実感
自分の判断が尊重される経験
失敗を学びにできる安心感
これらがあるからこそ、人は自分の責任を自ら引き受けようとします。
「責任感を押しつける」と、無責任が育つ
皮肉なことに、責任感を押しつけすぎると、社員はかえって責任を回避するようになります。
失敗を恐れて、問題を隠す
上司の顔色をうかがい、無難に行動する
トラブルが起きても「自分のせいじゃない」と思い始める
つまり、「責任を持て」と言いすぎると、逆に無責任な風土ができあがるのです。
無責任な行動が生まれる3つの背景
社員が無責任に見える行動をとる背景には、次のような仕組みがあります。
1. 恐怖からの“回避行動”
過剰な責任を感じると、社員は萎縮し、できるだけ目立たないように行動します。
「余計なことはしない方が安全」と思うようになるのです。
2. 無難さ優先の“保身行動”
「責任を取らされるくらいなら、最初から何もしない方がいい」――
そんな心理から、社員は指示待ちになり、思考停止していきます。
3. “責任転嫁”の文化
「自分の責任じゃない」と感じることで、他者に責任を押しつけようとする文化が生まれます。
これが組織全体に広がると、誰も責任を取らなくなっていきます。
本当の責任感を育てるには?
責任感を押しつけるのではなく、育てる仕組みが必要です。
以下の3つのステップを意識してみてください。
ステップ1:「失敗しても大丈夫」という環境づくり
失敗を叱るのではなく、そこから何を学ぶかに注目します。
「次はどうする?」という問いが、責任を引き受ける姿勢を育てます。
ステップ2:判断を尊重し、信頼を示す
社員が自分で考えた判断に対して、「まずはやってみよう」と信じて任せましょう。
うまくいかないこともあるかもしれませんが、それが学びになります。
ステップ3:結果を共有し、フィードバックする
結果に対して「何が良かったか」「次にどう活かすか」を共に振り返ることで、
社員は「自分の判断が組織にとって意味のあるものだ」と実感できるようになります。
結果が出せる環境が、責任感を育てる
本来の責任感とは、自分で動き、自分で結果を受け止める力です。
そのためには、社員自身が納得して動ける環境が必要です。
怒られないための行動ではなく
自分の意志で考え、行動することを支える仕組み
それが、責任感を“押しつけずに育てる”唯一の道です。
まとめ:責任感は「取らされる」ものではなく「育てる」もの
過度なプレッシャーは、社員の責任回避を招く
本当の責任感は、自分の行動に納得し、引き受ける力
失敗を学びに変えられる環境が、責任感を育てる
信じて任せ、共に振り返る文化をつくることが大切
次回は「トップダウンの指示で、現場が動かない理由」をテーマに、
現場が指示に従わない本当の原因と、改善のための視点をお伝えします。