DXには2つの要素がある

Society 5.0 ‐未来社会

内閣府が公開しているページに、「我が国が目指す未来社会Society 5.0」として動画が掲載されています。

数分の動画で見やすく、日本が目指している未来社会が分かり易いものになっています。

Society 5.0 ‐未来社会‐
Society 5.0 ビッグデータ連携がもたらす未来社会像

この動画は、国の目指す将来ビジョンを描いた内容ですので、非常に近未来的なイメージになっています。 

しかし、実際のDXの取り組みとして、この様なビジョンで動いているものがどれだけあるでしょうか。

DXの2面性

DXという1つの言葉で多くのことが語られる事がおおくなっています。

AI-IoTを使ったDX

ロボットなどを活用した生産性向上DX

働き方改革DX

など、色々な言葉と合わさって使われており、何がDXなのか分かりづらくなっています。

 

DXには2面性がある

DXには2面性があります。

 

1つは、国がイメージしている、各種のデータを活用し、AI技術などを使って、今までできなかった事や新しいサービス

不便を解消するといった新規性の高い領域です。これまでに無かった新たな付加価値を生み出す領域としての取り組みであり、

私はこれを

「価値のDX」

と呼んでいます。

 

一方で、実際の事例として多いのは、作業時間の削減、ムダの削減、作業の自動化といった、現状業務の効率アップのものです。

「RPAを導入し作業を自動化した。」といったものがよくある例になります。

私はこの領域を

「コストのDX」

と呼んでいます。

実は、DXで進んでいる領域はこの「コストのDX」の領域になります。

なぜかというと、これらは、DXという言葉がでる以前からシステム化する投資効果として持ち出されてきた経緯があるものだからです。

このシステムを導入すると、XXの作業時間がXX%削減でき、コスト削減効果があります。

といったものです。

この流れは、企業の中で馴染みがあり、決裁者が理解しやすく、投資判断がしやすいため、OKがでやすいのです。

 

経営者はDXの両面を理解すべき

経営者として一番重要な判断の1つに、有限である資源をどこに配分するか、という点があります。

「これを行えば、これだけコスト削減できますよ。」というものに投資することを否定している訳ではありません。

勿論、改善点があるところは、どんどん改善すべきです。

しかし、DX、特に価値のDX領域においては、真に経営者としての判断力が問われている部分が大きいのです。

付加価値向上につながるか、新しい事業領域につながるか、不透明な部分が大きいからこそ経営者が判断する価値が高い領域と言えます。

 

まだ、DXが何か分からず、またDXなど必要ない、関係ないと思っている経営者の方は、普通に判断すれば問題ない領域はミドルの管理層に任せ、本当に事業的な価値を生み出す難しい領域こそ社長が先頭にたって、推進していくことが経営者の役割であり、経営者冥利につきるのではないでしょうか。

 

 

 

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