課題を解消しても、なぜ新たな課題が生まれるのか

― 経営が“終わらない仕事”である本当の理由

「一つ問題を片付けたと思ったら、
 また別の問題が出てくる」

経営をしていると、誰もが一度はこう感じます。

  • 人材の問題を整えたら、次は売上の壁

  • 業務を効率化したら、社員の主体性が下がる

  • 組織を安定させたら、今度は成長が鈍る

社長としては、

「いつになったら落ち着くんだ」
という感覚になるかもしれません。

しかし、これは経営がうまくいっていないサインではありません
むしろ逆です。


「課題が消えない会社」と「成長していない会社」

まず押さえておきたい前提があります。

課題が出続ける会社=問題の多い会社
ではありません。

むしろ危険なのは、

  • 目立った課題がない

  • 何となく回っている

  • 大きな不満も出てこない

こうした状態です。

それは多くの場合、

変化も成長も止まっている状態

だからです。


課題が生まれるのは「前の前提が壊れたとき」

経営上の課題は、ランダムに発生しているわけではありません。

必ず、

「これまで正しかった前提」が機能しなくなったとき

に表面化します。

例① 少人数時代の前提

  • 社長が全体を把握できる

  • 阿吽の呼吸で回る

  • 細かい仕組みはいらない

この前提は、10人規模では正解です。

しかし20人、30人になると、

  • 情報が届かない

  • 判断が遅れる

  • 認識がズレる

という新しい課題が必ず出てきます。


例② 改善後に生まれる“次の問題”

  • ITを入れて効率化 → 現場の裁量が減る

  • 役割を明確化 → 部署間が分断される

  • ルールを整備 → 思考停止が起きる

これは失敗ではありません。

**「一段階、組織が進んだ結果としての副作用」**です。


課題は「線」ではなく「階段」で現れる

多くの社長が無意識にこう考えています。

課題Aを解決
→ 安定
→ しばらく平穏

しかし現実は違います。

  • 課題Aを解決

  • 組織のステージが変わる

  • これまで見えなかった課題Bが見える

経営の課題は直線ではなく、階段状に現れます。

だから、

課題が出る=前に進んだ
という側面が必ずあります。


社長が一番しんどくなる瞬間

一番しんどいのは、次の局面です。

  • 昔のやり方では通用しない

  • でも新しい正解はまだ見えない

  • 社員に聞いても答えは出ない

このとき社長は、

「自分の判断が間違っているのではないか」

と孤独になります。

しかし実際には、
判断力の問題ではなく、“整理相手がいない”だけ
というケースがほとんどです。


課題を「潰す」と、経営は苦しくなる

ここでよくある落とし穴があります。

課題をなくそう
問題をゼロにしよう

この発想です。

経営において、

  • 課題は“解消するもの”ではなく

  • “扱い続けるもの”

です。

重要なのは、

  • 今の課題は、どの前提が崩れた結果なのか

  • これは成長痛なのか、構造不良なのか

  • 次の一手は「対処」か「設計変更」か

を見極めることです。


経営者に必要なのは「答え」より「整理」

課題が次々に出るとき、
社長に必要なのは新しいノウハウではありません。

  • 課題同士の関係

  • 時間軸で見た変化

  • 組織ステージとの対応

これを経営目線で整理することです。

一人で考えていると、

  • 重要度が分からなくなる

  • すべてが緊急に見える

  • 判断に自信が持てなくなる

だからこそ、

答えを出す相手ではなく、整理を一緒にする相手

が必要になります。


最後に

課題がなくならないのは、
社長のやり方が悪いからではありません。

会社が生きて、動いて、変わっている証拠

です。

ただし、
整理せずに走り続けると、
成長痛と構造不良の区別がつかなくなります。

そこを切り分けられるかどうかで、
経営のしんどさは大きく変わります。


経営課題が「連鎖して見える」社長へ

もし今、

  • 課題が多すぎて、優先順位が分からない

  • 解決したはずなのに、また別の問題が出てきた

  • IT・人・組織の話が絡み合っている

そんな状態であれば、
一度すべてを経営目線で整理する時間が有効です。

結論を急がなくて構いません。
まずは「今、何が起きているのか」を言語化するところから始めましょう。

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